朝の匂いにまぎれていた
君の気配がこの部屋から消えて
目覚めた後 鏡に映る
自分の顔を見て驚く
クローゼットに
掛かったままのコートが
役目を終えるように
その季節は過ぎて
恋は終わってしまったのだと
見慣れたいつもの通りを
新しく買ったスニーカーを履いて歩く
何もなかったように
君のことも忘れたふりをした
人は皆んな
季節の変わり目に
大事なものを手放して
やがて忘れていく
桜が咲く頃には
部屋に差す光の角度も変わって
ひだまりに伸びる陰が
足元に近づくと
ベッドに横たわりしばらく空を眺めた
❄︎ タイトル:冬の終わりに
冬の終わり、
部屋の匂い、鏡に映る顔、季節の光。
日常の細かな変化を通してすでに終わっていた恋に気づく。
人は皆んな 忘れたふりをしながら、
季節と一緒に大事なものを手放していく。
❄︎ Title: At the End of Winter
At the end of winter—
the scent of the room, a face in the mirror, the light of the season.
Through the small changes of daily life,
one realizes only later
that the love had already ended.
Everyone pretends to have forgotten,
letting go of what mattersalong with the season.